トップページへ
COLUMN
イタリアスキー探索隊
イタリア探索マップ
ドロミテ探索隊
アオスタ探索隊
シチリア探索隊
トスカーナ探索隊
南イタリア探索隊
イタリアワイン探索隊
イタリアに行くならご用心!
コラムバックナンバー
日本国探索隊
探索隊写真館
探索隊お勧めレストラン
探索隊に参加する

「クールマイユール。ヴァレー・ブランシュ氷河大滑降」の巻
モンテビアンコ=モンブラン直下の街クールマイユール
Courmayeur Valle d'Aosta : 2003 March

屏風のようにアルプスが町を囲む

 クールマイユールはヨーロッパ最高峰モンブラン直下の街である。ヴァッレ・ダアオスタ州に属するこの街は、ミラノマルペンサ空港から190km、トリノから150km。アウトストラーダA4/A5でアオスタまで行き、SS26に乗れば35kmの距離にある。

 ミラノマルペンサ空港から3時間足らずのクールマイユールは、実は日本から一番近いヨーロッパアルプスのリゾートである。フライト12時間、クルマ3時間、正味15時間でアルプスのリゾートに身を置くことができる。

 同じ州のチェルヴィニア(標高2050m)はマルペンサから160kmと距離は近いのだが、シャティオン(549m)から28kmの山道を登る分時間がかかる。標高が低いクールマイユール(1224m)の方が、時間的には早く着けるわけだ。

 ヴァッレ・ダアオスタは、アオスタ渓谷沿いの豊かな州で、モンテビアンコ(4807m)、チェルヴィーノ(4478m)、モンテローザ(4634m)など4000m級の名峰が、屏風のように取り囲むアルプス回廊となっている。

 ヨーロッパの本格的リゾートが堪能できて、日本からも簡単に来られるのだが、ヨーロッパの人々で賑わうクールマイユールの日本人含有率はかなり低い。平成大不況の波間で、休暇はますます安近短となっているのだろうか。

 イタリアからフランスへ抜ける最後の街クールマイユール。モンブラン・トンネルがイタリア〜フランス〜スイスの大動脈を結んでいて、フランスのシャモニーは22km、スイスのジュネーヴまで、わずか106kmの距離でしかない。
アントレーヴからのフニヴィア

フニヴィア・モンテ・ビアンコ



モンテビアンコ=モンブラン
Courmayeur Valle d'Aosta : 2003 March

モンテビアンコ直下のクールマイユール
Courmayeur Valle d'Aosta : 2003 March

 クールマイユールのスキー場は、ヴァル・ヴェニ=Val Veny(ヴェニ渓谷)を挟んで二つのエリアに分かれている。ゲレンデは標高1525mから2624mの間にあって、総標高差8,568m、総滑走距離130kmの規模を誇っている。

 街と直結しているのはシェクルイのスキー場。街から少し離れたアントレーヴからフニヴィアで登るのが、ヴァル・ヴェニのスキー場である。この二つは連係していて、どちらからも滑り込めるのは素晴らしい。

 ピステはCresta Youla=クレスタ・ユーラ(2624m)山頂からプラン・シェクルイ(1706m)までの北東斜面と、ヴァル・ヴェニの谷、ゼロッタ(1520m)までの北西斜面に造設されている。

クールマイユール全体を把握するために、最初にホテルパヴィヨン近くのゴンドラに乗って、プラン・シェクルイへ上がってみよう。そこから、更にテレキャビンでラーゴ・シェクルイへ上がると、眼の前にモンテビアンコがある。あまり近すぎて、教えて貰うまで、どれがモンブランなの分からなかったほどだ。

 ここからフニヴィアでクレスタ・ユーラの山頂まで上がれば更に眺望が開け、エギュイ・デ・ミディやデンテ・デル・ジガンテのパノラマが一望できる。なんと、チェルヴィーノやモンテローザを遠望することもできる。

 クールマイユールからは、ラトゥイール、ピーラなどのスキー場にも、クルマで40分もあれば行ける。また、チェルヴィニアへは日帰りバスが出ている。一日かけて行ってみる価値は十分あるだろう。

 ヴァッレ・ダアオスタ州のこれらのスキー場は、スキーパス・ヴァッレ・ダオスタ=SkipassValle d'Aostaを買えば全て滑れる。せっせと毎日、日替わりで違うスキー場を滑りたい向きにはお勧めといえる。

 時間的に余裕があれば、モンテローザやコーニュを滑ることもできるし、イタリアだけで満足できなければ、シャモニーの三つのスキー場を制覇することもできる。そうした要望に応えるため、クールマイユールとシャモニーはどちらも共通パスを用意している。

ちびっ子はここにも

クレスタ・ユーラへのフニヴィア


間近に見えるモンブラン


Courmayeur Valle d'Aosta : 2003 March

Courmayeur Valle d'Aosta : 2003 March


Courmayeur Valle d'Aosta : 2003 March
 モンブラントンネルは99年の火災事故以来閉鎖され、クールマイユールとシャモニーの交通は、この3年間遮断されていた。久しぶりに復旧開通した今シーズン、またヴァレー・ブランシュ氷河滑降が可能になった。

 ヴァレー・ブランシュとは、イタリアとフランスの間に横たわる悠久の大氷河である。標高3470mのプンタ・エルブロンネ(3470m)からシャモニー(1030m)までの18kmを国境を越えて滑ることができる。なんと標高差が2440mもあるこの氷河を滑れるのだ。

 84年以来8回もクールマイユールを訪れているのだが、この氷河を滑ったのは、たったの一度だけである。ヴァレー・ブランシュを滑るという目的意識がなければ、何度行っても滑れないことがよーく分かりました。

 シーズン二度のイタリアスキー探索隊。一月に行けば、二月に休暇は貰えない。どうしても年二回行こうとすれば、1月と3月しかないのだが、1月はヴァレー・ブランシュ氷河が閉鎖されることが多いのである。

  なにしろアルプスのど真ん中、4000m級のエギュイ・デ・ミディや、デンテ・デル・ジガンテのフトコロ深く分け入っていくのだ。好天でなければ、とても無理な話である。天候の安定する時期。休みの取れる月。ということで、この3月大氷河滑降に挑戦する次第なのでございます。

 ヴァレー・ブランシュを滑るには、先ず、街からクルマで10分ほど行った、ラ・パルーからフニヴィア・デル・モンテビアンコに乗らねばならない。そこからゴンドラを乗り継いで、プンタ・エルブロンネ山頂まで登ったところがスタート地点なのだ。

 今度こそは悠久の大氷河を滑り、シャモニーからモンブラン・トンネルを通ってイタリアへ戻ってくるぞ。目的意識は明確だし、決意も固いし。天候は安定する3月だしナ。あとは、好天が一日だけあれば、目的は達成できるだろう。よしよし。計画は完璧であるようだな。

 クールマイユールのもう一つの氷河大滑降はプンタ・エルブロンネからクールマイユールへ戻るトゥラ氷河である。このコースは、標高差2100m、全長11kmの豪快極まりないコース。強風が吹けば氷河の上の雪が飛ばされ、荒々しく剥き出しになった、35度の斜度があるツルツル氷の上を滑ることになる。

 そう聞くや隊長は即座にトゥラ氷河滑降を断念したのであった。従って、まだ一度も滑ったことがない。この決断は「自らの技量を過信することのない立派な態度」と隊員たちから賞賛を得ることはなく、逆に非難を浴びたのであった。人生は分からないものである。


もうひとつのトゥラ氷河大滑降はここ

トゥラ氷河を滑るスキーヤー

プンタ・エルブロンナー(3470m)から見たデンテ・ジガンテ(4014m)
Vista del Dente Gigante da Punta Helbronner

さて、ここからヴァレー・ブランシュ氷河大滑降へ
Punta Helbronner, Courmayeur Valle d'Aosta : 2003 March


PAGE TOPに戻る

イタリア個人旅行はイタリア旅行社へ

バール掲示板
リンク
サイトマップ
プロフィール
トップページへ