トップページへ
COLUMN
イタリアスキー探索隊
イタリア探索マップ
ドロミテ探索隊
アオスタ探索隊
シチリア探索隊
トスカーナ探索隊
南イタリア探索隊
イタリアワイン探索隊
イタリアに行くならご用心!
コラムバックナンバー
日本国探索隊
探索隊写真館
探索隊お勧めレストラン
探索隊に参加する

「ドロミテスーパースキーってなんだ」の巻

 ドロミテスーパースキーとかセッラロンダってなんなのだ。という読者からのメールがいくつか届いた。こちらは、仕事柄、当然のように思っているし、本誌の特集でも取り上げているので、皆さんご存じと思いこんでいたが、セッラロンダ特集も四年以上前になる、目にしてない読者もいるわけだ。そこで、今回はドロミテスーパースキーを少し紹介してみることにする。

 アルプス北東部のイタリア側に、Dolomiti=ドロミーティと呼ばれる山岳地帯がある。イタリア北東部の三州にまたがる山岳地帯の総称がドロミーティである。三州とはヴェネト州トレンティーノ・アルトアデイジェ州、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州である。ドロミーティ・アルプスというかドロミーティ地方というか、国境の向こう側は主にオーストリアで、一部スイス、スロヴェニアと接する広大なエリアである。

 ドロマイト=Dolomiteはもともと、白雲石とか苦灰石とかいわれる岩石の名前である。十八世紀後半に、フランスの地質学者 Gratet de Dolomieu=ドロミューが、この山岳地帯の石灰岩にマグネシウムや炭酸カルシウムが多く含まれているのを発見した。この岩石はドロマイト岩と名付けられこの一帯は、後にドロミテと呼ばれるようになったのである。

 岩石はDolomiteなのにこの一帯の総称はDolomitiとなるのはなぜか?イタリア語ではDolomiteは単数なので複数にするとDolomitiと末尾の「e」が「i」に変わる。単数Dolomite→複数Dolomitiと末尾が変化するわけだ。単数複数の概念が薄いジャポネーゼには面倒だが、イタリアへ行くなら、このへんはきっちり押さえておきたい。

 ドロミテの赤みがかった岩峰、空に向かって屹立する尖峰、地層がはっきりと見えるように現れた山々が造り出す独特の奇観は、世界中の人を魅了してやまない。なかでも、山々がバラ色に染まり、陽が落ちかかる雰囲気は幻惑的でさえある。日本のテレビ番組で紹介されることも多いから、殆どの人の網膜に、一度ならず映ってるに違いないが、それがイタリアのドロミテなんだと意識されないのかもしれない。特徴ある岩峰は、気をつけていれば
「なーんだこれか」
と思うはずである。

 ジャルパック・アイルのポスターにも登場している。らしくないモデルの中年夫婦が、あまり見かけないリフトのようなものに、立ったまま乗ってるポスターを見たことがないだろうか。あれがドロミテのマルモラーダへ登る、有名な立ち乗りリフトなんである。

 マルモラーダのこのリフトもなかなかの逸品で、イタリアの筋金入りのスキーの歴史を感じさせる。大人2〜3人が入るぐらいの、なんというか、鉄の鳥カゴの上半分がないような、立ち乗りリフトなのだが、鉄カゴリフトが回ってきたら、板とストックを手に持って、カゴの扉を開けてすばやく飛び乗らないといけない。地面から離れて回ってくるので、乗るときにちょっと緊張するスリリングなリフトである。でも、乗るときはスピードがゆっくりになるので、あわてなくてもいい。

 このリフトも他では体験できないので、行ったら一度是非トライしてほしい。牧歌的にのんびりしてて、高速大量輸送の時代には逆行するが、歴史的にも貴重な存在と思えるのだ。こういうのを直ぐに新しいのと掛け替えないところが、「いいなぁ。イタリア」


 ドロミテスーパースキーとは、スキーリフトシステムの総称である。と言ってもそこにある、ここにあるのとは少しばっかりケタが違う。なんたって、この広大なドロミテエリアにきら星のごとく密集する、錚々たるの44のスキーリゾートを464のスキーリフトで縦横につないでしまう、世界一どでかいスケールのシステムだからである。

 ドロミテスーパースキーの滑走可能距離は1220kmといわれる。つまり、スキーパス一枚で滑走できるピステの総延長が、千二百`
以上というのだから、びっくらするでねーの。まさに世界に冠たるシステムであることは間違いない。だから、ドロミテスーパースキーを抜きにして、ヨーロッパスキーを語るのは片手落ちだと思うのである。

 ドロミテスーパースキーには、大きく分けて12のスキーエリアが属している。それぞれのスキーエリアには番号が振ってあり、1番は、あのコルティナダムペッゾである。以下に滑走可能距離とともに列記する。

(1)CORTINA D'AMPEZZO=コルティナダムペッゾ。140km
(2)KRONPLATZ=クロンプラッツ。85km
(3)ALTA BADIA=アルタ・バディーア。130km
(4)VAL GARDENA=ヴァルガルデナ。175km
(5)VAL DI FASSA E CAREZZA=ヴァルディファッ サ。120km
(6)ARABBA=アラッバ。52km
(7)ALTA PUSTERIA=アルタ・プステリア。50km
(8)VAL DI FIEMME=ヴァル・ディ・フィエンメ。150km
(9)SAN MARTINO DI CASTROZZA=サン・マルティーノ・ディ・カストロッツア。65km
(10)VALLE ISARCO=ヴァッレ・イザルコ。75km
(11)TRE VALLI=トレ・ヴァッリ。98km
(12)CIVETTA=チヴェッタ。80km

 どーですか、計算あってますよね。全部足せば、滑走可能距離の総延長は1220kmとなるのだ。これを全部滑るなんてまぁ、いつのことになるやら。以前、イタリアには滑走距離100kmぐらいのスキー場はごろごろあると言ったのが、誇張ではないことを理解いただけると思う。それでもまだ、ドロミテの中にはマドンナディカムピリオのように、ドロミテスーパースキーに属してないスキー場があるんだから、ホントに「すごいなぁ。イタリア」


 98/99ワールドカップの日程表を見ると、セストリエーレで12月14日、男子SL。ヴァルガルデナで12月19日、男子DH。アルタ・バディーアで12月20日、男子GS。コルティナダムペッゾで1月22〜24日女子DH・SG・GSの三種目が開催されることになっている。

 セストリエーレとドロミテスーパースキーのNo,1,3,4のエリアで、ハレのレースが開催されるわけだ。そして、先月号に書いたアラッバはNo.6である。来春早々、ここを拠点にドロミテの徹底探索をしようというわけなのである。

 それにしても、月日のたつのが早い。いわき市の美人隊員能戸洋子が一月にくれた手紙に
「一年の一番最初にその年の一番いいとこをもってきちゃう。わたしたちって、おかしい。毎日スキーして、おいしいもの食べて、ワイン飲んで、一年の初めにいちばんいいとこもってきちゃって、残りがあと11ヶ月もある。あー、もうはやく来シーズンになって!きっと、また行く!!と決めている」
とあったのが、あっという間に、もう次のシーズンが、近づいてきてしまったのである。



PAGE TOPに戻る

イタリア旅行はイタリア旅行社へ

バール掲示板
リンク
サイトマップ
プロフィール
トップページへ