ミラノからA4でヴェローナへ向かい、イタリア三大湖のひとつガルダ湖の南岸をバイパスで抜け、そこからA22でトレントを過ぎボルツアーノ=Bolzanoの少し手前のオーラ=Oraでアウトストラーダを下りて、ドロミーティ街道へ入っていく。そのオーラを出るとき時計は10時30分を指していた。また暫く眠っていると、一定だったエンジン音の変化にイヤな予感がして薄目をあける。ややや、ドライバーが道の脇に車を止めているではないの。

どうやら、エンジンがオーバーヒートしてしまったらしい。エンジンを冷やしたり、途中のバールまで走って行って水を分けて貰ったり。結構一時間半ぐらいはロスしただろう。それからCavalese,Predazzo,Moena,Vigo,Canazeiと夜更けのドロミテ街道走り抜け、これを越えたらようやくアラッバのポルドイ峠にさしかかる頃には、車のライトに照らされ雪がびょんびょん舞い始める。ミラネーゼの運転手の横顔には心なしか緊張が漂い、探索隊をのせた車はカタツムリのように、一歩また一歩とアラッバへと近づいて行くのであった。
|
|