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「ドロミテ探索隊、ドロミテスーパースキー、チヴェッタ、トレ・ヴァッリへ」の巻
ドロミテ、チヴェッタ、トレ・ヴァッリ、
Civetta , Trevalli ,Dolomiti Italia : Mar 2000

ドロミテスーパースキー。チヴェッタトレ・ヴァッリ。Civetta , Trevalli ,Dolomiti Italia : Mar 2000

Civetta , Trevalli ,Dolomiti Italia : Mar 2000

 今年の桜は未だ散らない。葉桜になる頃なのに、雨が少なく気温もさほど高くならないせいか、四月も半ばというの十分目を楽しませてくれる。三年前の今頃、突発的に花粉症になってしまった。それまではなんともなかったのが、いきなり体内に蓄積された抗体が、春の芽吹く季節に抗原と反応し始めたようなのだった。

 それでも去年、一昨年と何でもなかったのに、花粉の飛ぶ量が多いのだろうか、今年はとてもキツかった。しかし、それももう少しの辛抱だ。初夏へ向かう木々の緑が目に鮮やかなこの季節がやってくると、今年もスキーシーズンを無事に終えることができたのだと思うのである。

 一月にロムバルディア州ヴァルテッリーナのスキー場を走破したイタリアスキー探索隊は、満を持して三月四日ドロミテへ向け出発した。今回の探索で、ドロミテスーパースキー(11)TRE VALLI=トレ・ヴァッリと(12)CIVETTA=チヴェッタに挑戦するためだ。

 ドロミテスーパースキーは、広大なドロミテエリアの45のスキーリゾートを460のゴンドラ、テレキャビン、リフトで縦横に繋いでしまう世界最大のシステムの総称である。ドロミテスーパースキーパス一枚で1220kmの滑走が可能で、そこに12のスキーエリアが属している。

 成田空港を飛び立ったアリタリア航空機がミラノ、マルペンサ空港へ到着したのが、定刻の夕方17時45分。バゲージエリアで荷物を受け取り両替を済ませ、外へ出ると空気は暖かく春の到来が近いと感じさせる。隊員たちは、いつものように手慣れた様子で、バッグとスキー板を車に積み込む。今回のドロミテ探索のベースとなるカプリーレ目指して走り出す。

 ミラノからカプリーレまでは、約420kmの道のりだ。アウトストラーダA4でヴェローナ、ヴェネツィア、A27でベッルーノまで走る。次にSS203でアゴルド、チェンチェニーゲを右へ北上して、アッレゲの湖が左岸に見えるとあと4kmでカプリーレに到着する。
快晴に恵まれ、チヴェッタへのぼる


アッレゲの湖


ドロミテスーパースキー。チヴェッタ、トレ・ヴァッリ。Civetta , Trevalli ,Dolomiti Italia : Mar 2000






 ヴァルテッリーナ探索も連日晴れたが、三月のドロミテ探索隊も毎日快晴に恵まれた。初日の三月五日、ドロミテスーパースキー12番、チヴェッタのスキー場を足慣らしに滑ることにする。ガイドはヴェテラン、ジュリアーノだ。

 チヴェッタの基点となるアッレゲ(標高979m)の村からテレキャビンでピアニ・ディ・ペッツェ(1470m)、コル・デイ・バールディ(1922m)と上って行くと、チヴェッタが「スペタクルの舞台」と呼ばれている理由がよく分かる。

 上るやすぐに目に飛び込んでくるパノラマ舞台の主役は、なんと言っても、どでかーんと聳えるモンテ・チヴェッタ=3220mだろう。ヴァルガルデナのサッソルンゴにも感動したが、肌を接するように迫ってくるチヴェッタの異形の山容はまた胸を打つものがある。

 東に目をやるとモンテ・ペルモ=3168mが鎮座し、南にはセッラ山群=3150mが控え、西にはドロミテ最高峰マルモラーダ山群=3342mが見渡せるという、豪華絢爛の大舞台なのだ。自然の成せる造形に叶うものは存在しない。万金に値するチヴェッタのような景観を目にすることができるのは、実にこの世の至福である。スキーするまで山など近くで見たこともなかったこちらが言うのも口はばったいが、
「スキーヤーはナポリより先にチヴェッタを見て死ね」

 チヴェッタはアッレゲ、セルヴァ・ディ・カドーレ、ゾールド、そしてパラファヴェーラの四つのスキー場で構成されている。滑走可能距離は85km。そのうち80kmが降雪機によってカバーされている。今シーズン、ヨーロッパの降雪が全体的に少ないため、来る前はかなり心配だったが、杞憂であった。確かに、雪のない斜面が散見されるが、それでもドロミテはスキーヤーの天国、ピステをいつも完全な状態にしつらえて待っていてくれるのだ。

 二日目の三月六日。ガイドのマウリッツィオとアッレゲからシャトルバスに乗ってファルカーデへ向かう。ドロミテスーパースキー11番トレ・ヴァッリを滑るのだ。TRE Valliは三つの谷の意味で、Falcade=ファルカーデ(1190m)、Passo S.Pellegrinoパッソ・サン・ペッレグリーノ(1918m)、Moena=モエナ(1200m)の三つのスキー場の総称だ。

 ファルカーデとパッソ・サン・ペッレグリーノのスキー場は連係しているが、モエナのスキー場はシャトルバスでの連絡となる。滑走可能距離はあわせて100km。ここも95kmが人工降雪機でカバーされている。変化に富んだ広大な斜面をマウリッツィオを先頭に、滑りに滑ったが一日で全てを滑ることはとてもできない。

 パッソ・サン・ペッレグリーノはマルモラーダ山群の南側Cima Uomo=チーマ・ウオーモ(3003m)の裾野に展開するスキー場だが、ファルカーデと行ったり来たりしながらドロミテの景観を楽しみつつ自在に滑ることができる。今回は快晴続きで、新雪には巡り会えなかったが、オフピステも至る所にふんだんに見受けられのは楽しみである。
モンテ・チヴェッタ



トレ・ヴァッリを滑る。スキーヤー原田洋一(前)、小野田洋(後)
Civetta , Trevalli ,Dolomiti Italia : Mar 2000


 ドロミテスーパースキーのパンフレットを見ると、創設は1975年とあり、今年で25周年を迎えたことになる。こちらがスキー始める前からあったのかと思うと、もっと早く知っていればとも、惜しかったとも思うが、知らずに生きるより途中でも気が付いたのはホントによかった。

 コルティナを皮切りに、いつしか総延長1220kmを滑り切ることが、壮大な人生の一部となってしまったイタリアスキー探索隊。最初は全部を滑るなんて半分冗談だったのが、隊員たちの固い決意に突き動かされ、ここまで来たら本気出してマジメに達成を考えんといかん、という態度態勢になってしまったようでもあるのだ。

 マドンナアオスタスーパースキーヴァルガルデナ、セストリエーレ、アラッバボルミオリヴィーニョとめぐり巡ってようやくここまでたどり着いて、振り返れば、ドロミテスーパースキーの中で全く足を踏み入れていないのは、(9)サン・マルティーノ・ディ・カストロッツア。(10)ヴァッレ・イザルコ。だけとなったわけである。

 昨年、アラッバ探索を終えヴァルポリチェッラへ寄る際にドライバーのアゴスティーノが、カプリーレ、アッレゲ、ファルカーデ、パッソ・サン・ペッレグリーノ、モエナを走ってくれたので、今シーズンはチヴェッタトレ・ヴァッリに決まったのだと言ってもいい。

 アラッバを去る日の朝、晴れ渡る青空を見て、滞在中の悪天候を嘆くわれわれに、
「あなた達はこれから来る人に素晴らしい天候を残して行くんだ。その人たちから感謝されると思わないとね」
と、アゴスティーノが言ったのを、今回ファルカーデの村を通りながら思い出した。
「この次来るときは前の人が、きっと、あなた達に最高の天気を残していってくれるさ」
ホントにその通りになりました。今年は完勝のパーフェクトゲームとなったのでありました。


ドロミテ、チヴェッタ、トレ・ヴァッリ
Civetta , Trevalli ,Dolomiti Italia : Mar 2000

Civetta , Trevalli ,Dolomiti Italia : Mar 2000

スキーヤー、能戸俊輔、ドロミテ、チヴェッタ、トレ・ヴァッリを滑る。
Civetta , Trevalli ,Dolomiti Italia : Mar 2000


スキーヤー、能戸俊輔、ドロミテ、チヴェッタ、トレ・ヴァッリを滑る。
Civetta , Trevalli ,Dolomiti Italia : Mar 2000



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