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「夏のドロミテ、ヴァルガルデナ、オルティゼイ」の巻、その壱
朝靄のオルティゼイ、中央にセッラ山群、右にサッソルンゴ山頂部が
Ortisei , Val Gardena, Alto Adige, Italia : Settembre 2004

セッラ山群が中央に、サッソルンゴ山頂部が右に見える
Ortisei , Val Gardena, Alto Adige, Italia : Settembre 2004

 これだけ足繁くドロミテへ通っているというのに、毎年雪景色は見るが、雪のないドロミテがどんな風なのか知らないと言っても、にわかに人は信じない。 ドロミテ山中分け入って、ではいったいなにをしてきたのだと問われれば、ただひたすら滑ってきたと答えるほかなく、滑るためには雪のないドロミテに用がないと漸く納得して貰える。 とは言うものの、毎シーズンドロミテの自然に遊ばせて貰いながら、その春夏秋冬の有様を見ずしてドロミテを語るとは、なんとも片手落ちとも不遜とも思える。

 いつか夏のドロミテを訪れようと思ってはきたが、身のひとつだになきぞ悲しき。夏来たりなば、また、遊んでみたいところが、いくらもあるのが困ると言えば困るのであります。

 シチリアやら、トスカーナ。はたまたカンパーニャよプーリアよとめぐり巡りて、04年夏はチンクェ・テッレとリグーリアの予定だったが、急遽夏のドロミテに行ってみることにした。

 マルペンサ空港を走り出すやいつものごとく眠ってしまったが、ミラノからヴェローナへ向かうアウトストラーダはいつにない大渋滞だったらしい。

 目覚めれば、トレントを過ぎボルツァーノからいよいよドロミテ街道へと入ろうかというあたり。珍しく金曜日に日本を出たからか、北へ向かうアウトストラーダはクルマが数珠つなぎ。おかげで、オルティゼイに辿り着いたのは夜半過ぎとなってしまった。

 降り立てば、ドロミテは避暑地となるくらい、九月半ばとなれば、めっきり気温も下がって寒いほどである。真夜中の到着となると、食事はパンとチーズ、生ハム、サラミに水とワインが相場。できればと頼んでおいたスープが、疲れた身体にほんのりとあたたかい。


 アウトストラーダをキウザでおりて、ドロミテ街道を東へ向かうとヴァルガルデナ=ガルデナ渓谷に至る。この谷を行くとパッソ・ガルデナ(ガルデナ峠)とパッソ・セッラ(セッラ峠)への二股分かれ道に行き会うが、ここまでをヴァルガルデナと呼び、全長はおよそ33kmである。

 ヴァルガルデナには三つの集落があり、ボルツァーノに近い方からオルティゼイ(1,236m)、サンタ・クリスティーナ(1,446m)、セルヴァ・ディ・ガルデナ(1,563m)とゆるやかな勾配を登っていく。

 ニュージーランドのクイーンズタウンもそうなのだが、Leading Mountain Resorts of theWorldの中に、ヨーロッパではヴァルガルデナが選ばれている。年間を通じて満足度の高いバカンスが過ごせる山岳リゾートとして保証付きというわけなのだ。

 ガルデナ渓谷の最初の街オルティゼイが三つの中では、人口5,635人と一番大きい。次いで、セルヴァが2,590人、サンタ・クリスティーナが1,789人である。全部合わせても一万人そこそこなのだが。

 宿泊客を受け入れるベッド数を見ると、セルヴァが一番多く7,900床、オルティゼイが5,700床、サンタ・クリスティーナが2,900床となっている。年間の延べ宿泊人数は199万人にもなるというのだから、恐るべしヴァルガルデナ。200万人もの人間をもてなしてしまうって、そうざらにはないに違いない。

 冬にはさんざんお世話になる、ドロミテスーパースキーの統括オフィスもここにある。オルティゼイをベースに決めたのは、一度ここを表敬訪問してみたかったからでもある。

 ガルデナ渓谷沿いのオルティゼイを、二つのドロミテ山塊が取り囲んでいる。谷の北側にセチェーダ、南側にアルペ・ディ・シウージ、このふたつが先ずはオルティゼイの大きな見どころとなるはずだ。 オルティゼイからセチェーダへはトレッキングコースがある。所用2時間半。下りも入れれば一日がかりの行程である。また、セチェーダから隣のサンタ・クリスティーナへのコースもあり、緩やかに続く小道を辿り、咲き乱れる花を楽しめるようになっている。

 しかし、たっぷり一週間滞在するならまだしも、三日の滞在で次の宿泊地へ移動してしまう。その間にヴァルガルデナも見てしまいたい。一日でオルティゼイを見てしまいたい。というのだから、街からトレッキングコースを辿って登り降りは無理である。

 それでも、一日で午前にセチェーダ、午後からアルペ・ディ・シウジという日程をこなす方法がある。どちらもテレキャビンやゴンドラが稼働し、シャトルバスがオルティゼイ〜サンタ・クリスティーナ〜セルヴァ・ディ・ガルデナを結んでいるからだ。


 スキーシーズンのドロミテスーパースキーパスのようなシステムはないが、代わりに、ヴァルガルデナ・カードがある。クルマがなくても山登りができなくても十分楽しめるように、ヴァルガルデナのバスと、ゴンドラ、テレキャビンが一週間乗り放題となるカードなのだ。

 ヴァルガルデナ・カードは51ユーロ(約7千円)。インフォメーション、テレキャビン乗り場、ホテル等で購入できる。ガルデナ渓谷の見どころポイントにかかるテレキャビン、フニヴィア全て何回でも利用できる。三日も滞在すれば元が取れるのだ。是非購入しておこう。

セチェーダからのサッソルンゴとセッラ山群
Sasso Lungo e Gruppo del Sella


 到着の翌朝、一行はオルティゼイ(1236m)の東側の丘のテレキャビン(1250m)で、セチェーダ(2500m)へ登ることにした。途中でフニヴィアに乗り換えるが、標高差1250bはあっという間である。

 セチェーダはヴァルガルデナで毎年三月末に開催されるガルデニッシマのスタート地点なのだが、まわりは木々の緑が弾け眩いばかり、今はそれさえ脳裏に浮かばない。

 朝靄に煙る巨大な山陰の連なり、光り輝く大草原の広がりはまだ見ぬ世界そのものであった。オルティゼイには未知の扉があり、そこから先は、もうひとつの世界へと通じているようなのであった。





セチェーダからのサッソルンゴとセッラ山群
Sasso Lungo e Gruppo del Sella

セチェーダからサンタ・クリスティーナ、サッソルンゴ山群を望む
Seceda, Ortisei,Val Gardena ,Alto Adige Italia



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