翌朝、諦めきれないで、スターディオ・タルディーニまで出かけたが、門は閉ざされ入場もできやしない。スターディオの外から手を合わせ、スランプに苦しむナカタの不調脱出を祈願する。その場で観戦券を手に残念撮影したら、隊員たちはいつもの癖で、ついニッコリ笑ってしまうのであった。

隊員たちの落胆は大きかったが、隊長が見つけたピッツェリーアに入るや、全員ワイン片手に、「うまい」「おいしい」「なかなかいい」を連発。パルメッジャーノのピッザを頬ばって素早く立ち直ってしまうのであった。

ナカタが移籍しなかったら、パルマへ来ることもなかったかもしれない。そう思いながらこじんまりして豊かなパルマの町をのんびり探索する。小さな街とはいえ立派な国立博物館があり、半日がかりで見ることができたのは価値があった。付属の美術館でレオナルドダヴィンチの絵を見つけたのも嬉しかった。

試合は結局、3月13日の水曜日に延期となり、11日に帰国したので見ることができなかった。しかし、試合そのものはなくなったわけではなく、券を持っていけば観戦できるので、払い戻しはされない。こうして、観戦券は手に残され、ピッチに立つナカタは幻となってしまったのであった。

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リストランテ コルサーロ (海賊)
Ristrnante Pizzeria Al Corsaro
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